OEM 歴史

1950年代にIBM社で造られた造語とされ、1960年代後半からDEC社の制御用ミニコンピュータの販売対象の業界の定義として米国でOEMと言う言葉を渡米して新しく知り次第に使われ始めたのが日本では最初と考えられる 。
米国のコンピューターや電子部品業界から使われ始めたが例として汎用性のあるコンピュータをコンピュータ製造業者A(以下「業者A」)から購入した別のコンピュータ製造業者B(以下「業者B」)がそこで独自の技術的(ハードウェアやソフトウェアなど)価値を付け加え独特のまたは特定(汎用の反対の意味)の機能を持つ製品に造り上げ、業者Bは付加価値再販業者(VAR、Value Added Reseller)としてその製品を市場に出した製造者を指した。この様に文字通り、「オリジナリティーや独創性のある製品化(装置化)を行う製造者(業者B)」として言葉OEMは使われた経緯がある。この時代の「OEM」は文字通り「製造者」を意味し業者Aと業者Bの間に資本関係や委託製造、販売提携などの契約などはなくあくまで両者の別個の企業行動であった。
OEMが造語として造られた1960年代頃には既にメインフレームや小型のコンピュータによる事務、会計や給与などいわゆる事務に関する処理は広く行われていた。一方、制御、計測、生産管理などいわゆる第二次産業の生産現場や研究現場では多くの機器や機械を用いて行われていたがこれらを統合的に結合したものではなかった。PDP-8に代表されるミニコンピュータの登場によってこれらを有機的に結びつけた装置やシステムを業者B自身が独自に学習し従来の技法や技術を生かした「Original Equipment」と言われる「独自性を持った装置・システム」を差別化戦略として行えるようになった。

ターンキーシステム

この頃以降、OEMから更に発展しターンキーシステム(英語:Turnkey system)と呼ばれる装置、生産設備やシステムなど全て一式で製造しそれを顧客に販売・設置する形態も現れた。顧客側である生産・研究設備などの買い手はその設備の構築には全く係わらず完成した段階でその設備の稼働を単に電源を入れるキーを廻すだけで稼働を開始できる設備・システム、いわゆる「ターンキーシステム」を製造する者も現れ買い手は自社の製品を製造する設備をシステム製造業者に全面的に任せた方式の始まりでもあった。すなわち、OEMが業者Bの立場から顧客の設備稼働直前まで一式を請け負うシステムの手法へと変化していった。例えば、食品製造業者がコンピュータ化された生産設備を全てコンピュータ関係の業者に任せできあがった食品生産システムなどはターンキーシステムと呼ばれる。また病院の全コンピュータ化業務システムなどもこれに該当するものが多い。

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