プリント基板 組成による分類

紙フェノール基板

紙にフェノール樹脂を含浸したもの。別名ベークライト基板(ベーク基板)。安価で加工性が良いので、プレスによる打ち抜きで民生機器用基板を大量生産するに使われる。反面、機械的強度が低く、反りも生じやすい。通常片面基板として利用される。

紙エポキシ基板

紙にエポキシ樹脂を含浸したもの。紙フェノールとガラスエポキシの中間的な特徴を持つ。通常片面基板として利用される。

ガラスコンポジット基板

切り揃えたガラス繊維を重ねて、エポキシ樹脂を含浸したもの。安価な両面基板として利用される。 ガラスエポキシ基板

ガラスエポキシ基板

ガラス繊維製の布(クロス)を重ねたものに、エポキシ樹脂を含浸したもの。電気的特性・機械的特性ともに優れている。上記の基板と比較して高価ではあるが、近年の需要増加により、価格は下がる傾向にある。
表面実装用基板として最も一般的に使われている。両面基板以上の多層基板に利用される。

テフロン基板

絶縁材にテフロンを用いたもの。高周波特性が良好なためUHF、SHF帯の回路に用いられるが、非常に高価である。近年、半導体の性能向上によりガラスエポキシ基板でも所望の性能を得る事が可能となったため、民生品で使われる事は少なくなっている。

アルミナ(セラミックス)基板

グリーンシートと呼ばれるアルミナ(酸化アルミニウム)にタングステンなどでパターンを形成/積層したものを焼成して製造するファインセラミックスの一種。色は白や灰色などがある。高周波特性や熱伝導率に優れるため、主にUHF、SHF帯のパワー回路で使用される事が多い。高価である。

低温同時焼成セラミックス (LTCC) 基板

アルミナ基板の高価格、高温で焼結させるために配線に銅が使用できないといった問題を解決した基板。ガラスにセラミックを混合して800℃の低温で焼成する。そのため配線に銅が使用可能となった。熱膨張率が小さい、絶縁特性がよいという特性を生かして基板内部にコイル、コンデンサ等の受動部品を製作する事も可能。高周波回路のサブストレート、高周波モジュールの基板としてアルミナ基板に置き換わっている。熱伝導率はアルミナ基板より劣る。

コンポジット基板

ガラスエポキシ基板を中心として両面には紙エポキシ基板を形成したもの。ガラスエポキシ基板のみに比べて加工しやすく、価格が安い。また近年では両面にテフロンを使用したコンポジット基板が高周波回路用に作られている。テフロン基板より安価で、ガラスエポキシ基板より周波数特性が優れている。

ハロゲンフリー基板

ガラスエポキシ基板と構造は同じだがフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン系難燃剤を含まない多層基板。リサイクル焼却時に発生する有毒物質を抑えることができる。また、同時にハロゲンフリーのレジストを使用した場合、基板は青っぽくなる。ただし、緑色のハロゲンフリーのレジストも存在する。

inserted by FC2 system