集積回路 製造工程 前工程 クリーンルーム

半導体工場の生産ラインは、それ自体が巨大なクリーンルームとなっている。生物学的クリーンルームよりも、半導体製造現場のほうが遥かに清浄度が高い。ウェハー上の1つの細菌細胞はトランジスタ100個近くを覆い隠す。2008年現在の先端プロセス・ルールである45nmはウイルス以下の大きさである。製造中の半導体は人間がいる環境ではどこにでもあるナトリウムに大変弱く、それが絶縁膜に浸透する為、特にCMOSトランジスタには致命的とも言える。半導体工場のクリーンルーム内に導入される空気は、部屋や場所ごとに設定されたクリーン度に応じて、何度もHEPAフィルターやULPAフィルターで空中微粒子を濾しとられたものが使われる。また水はイオン交換樹脂とフィルターによって空気同様に水中微粒子を徹底的に除去された超純水を使用している。大量のナトリウムを含み、皮膚から大量の角質細胞の破片を落下させ、振動をもたらす人体は半導体プロセスにとって害をなす以外の何物でもなく、クリーンスーツ、いわゆる“宇宙服”を着て製造ラインを汚染しないようにしている。もっとも工場は高度に自動化されており、人間が製造ラインに出向くのは機械の故障といったトラブルがあった時だけである。

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