集積回路 概要

現代の電子機器で使用する電子回路は、増幅器や演算器などの機能単位ではすでに回路構成が決まっており、わざわざ個別の抵抗やコンデンサ、トランジスタを1つずつ組み立てる事は、効率が悪く、コストとサイズがかさばり、故障の原因にもなる。複雑な回路を小さな1枚の半導体にまとめて作り込む技術の成果が集積回路であり、現在のコンピュータやデジタル機器を支える主要な科学技術の一つである。古くは固体回路 (Solid-State Circuit) とも呼ばれ、20世紀中頃に考案されて以降、製造技術の進歩により急速に回路規模と性能が向上してきた。

ウェハーと呼ばれる薄い半導体基板の上に光学写真技術によって微細な素子や配線などの像を数十から数百個を写し込み、その像を保護マスクとして半導体基板を溶かしたり上塗りしたりを十から数十回繰り返し、多数の同一回路を同時に1つのウェハー上に作る。ウェハー上の回路はテスト前、または後に1つずつ切り離されてダイ (Die) となる。良品だけがサブストレートやリード・フレームに載せられ、ボンディング・ワイヤやフリップ・チップの直接接続によって外部端子との配線が行われた後、プラスチックやセラミック、金属缶で出来たパッケージに封入され、動作テスト後に梱包・出荷される。

これらがモノリシック集積回路の製造工程であるが、ハイブリッド集積回路は、複数のダイまたは1つのダイといくつかの単体の受動部品といった組み合わせで1つのパッケージに収められたものである。

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